マルメロさんの、映画 “未来の食卓” 上映会のご案内です。
南フランスの美しい自然に囲まれたとある小村で、生産効率最優先で行われてきた近代農業がもたらした多々の問題について地域住民たちが議論して、危機意識を共有、子供たちが安全に暮らせるような新たな仕組み作りや自然環境の保護に取り組んでいく様子を記録したドキュメンタリー映画です。
この映画に、ジェロボアムでも取扱いのある南仏ワインのナチュラリスト、ルイ・ジュリアンさんがちょこっと出られているので、僕も見てみました。ワインを扱う仕事に就いているものとしての感想もまじえて・・・。
ワインに関わる分野を描いた映画ではないですが、ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)と呼ばれるジャンルが生まれた必然性がわかります。「葡萄が酵母の働きによってワインになる」このナチュラルな状況でも生じそうな化学変化は、人間がまったく関与せず起こることはまずありません。生産性を高める、つまり安定的に十分な量を作り続けることを優先すると、その関与する機会は様々な部分で多くなり、ナチュラルから遠ざかっていきます。自然環境が危機にさらされるほど、人体に疾病など悪影響が出るほど、明るい未来を望めなくなるほど、その関与を過度に行った結果に起こったことが映画の中で明らかにされています。そんな失敗があって、それを正す動きが生まれました。もちろんフランスだけの問題ではなく、農業の分野だけが抱える問題でもありません。人類全体、そして地球が抱えている様々な問題を提起する情報はたくさんあります。危機感は日々深まるばかりの今の世の中。何とかしなければ・・と思うだけで何もできない、そんな無力感をもつ人も少なくないはずです。大事なことはなんでしょうか?出来ることは?
まずは問題意識をもつこと、そして出来れば、誰かと共有できる時間か場所があること。
この映画では、学校給食をオーガニックに変えるところ、子供たちに野菜を育てることや正しく食べることを教えるところが描かれています。子供の頃から、自分が食べているものがどんなものなのか知ることはとても大事なことです。食に関することだけではありませんが、本当は知っておくべきことを知らないことが多いと思います。いくらでも情報が得られる便利な世の中が、逆に人類の知性を失わせていることを憂慮すべきです。目の前にはいつも、蜜が入った壺、毒が入った壺、二つが置かれてあって、どちらを選ぶかは個人の自由だと告げられています。正しい選択をできるためには知性が必要で、それを育てるものは教育です。そんなことをこの映画を見ながら感じました。
すでにご覧になった方もいると思いますが、もう一度見る機会を作りませんか?そこで生まれる思いを誰かと共有することも意味があります。たとえ、そこで言葉で表わさなくても・・。
日時:12月12日(日) 受付16:00~/上映16:00~18:00
場所:イオリ・雲州堂さん(大阪市北区菅原町7-2 tel06-6361-3964)
詳細はこちら。マルメロさんホームページで。
上映会のあとは、マルメロ・クリスマス会も催されます。
どなたでもご参加可能です!お友達と一緒にいかがでしょうか?