アラン・ロベール メニル“テート・ド・キュヴェ”1989
    2010年の1本目のご紹介は極上のシャンパーニュです。最高品質のシャルドネが育つ産地のひとつコート・デ・ブラン地区メニル村でも最上と評されるリコルタン・マニュピュラン
    SalonKrugClos du Mesnilなどメニル村の最上級のワインは堅い性質で飲み頃を迎えるのに10年近くかかるのですが、アラン・ロベール氏は飲み頃の到来を待って蔵出しする今では少ない職人気質のヴィニュロンで、デゴルジュマン(澱引き)は注文が入ってから行うというこだわりよう。味わいは今まさに完熟状態で、落ち着いて角の取れた酸と甘くさえ感じられる濃厚な旨みが見事に調和していました。ローストしたリンゴやヘーゼルナッツ、ブリオッシュ、乾燥アプリコット、アカシアの花など、多少のストレスや身体の疲れもどこかに吹き飛んでしまうくらい感動的な芳香。飲用温度はお好みもありますが、熟成したシャンパーニュは冷えすぎると複雑なブーケが閉じるので12度くらいがベストです。
    DSCN0897残念ながらこの蔵元には跡継ぎがいないということで、残っている在庫分が少しずつ蔵出しされているのですが、現在入手できるのはマグナム瓶の1988年1989年1990年。(普通瓶は割当があり、ほとんど入手不可)マグナム・サイズにしてもジェロ店頭価格で35000円と高価でも、それに相応の国宝級価値のあるワイン。もし機会があれば試してみてほしいと思います。