DSCN0917シャンテ(ダイヤモンド酒造)プティ・シャルドネ 2008
    昨年もたくさんのワインをテイスティングする機会がありました。その中のベストを決めることはできないですが、生産国別に考えてみて、印象的だったワインがもっとも多く感じられたのは実は日本でした。
    ファッションなどと同じようにワインにもその時代に合うモードのようなものがあり、たとえばバブルの頃なら完熟果実の濃厚な旨みや樽熟成のニュアンスが強く表れたゴージャスなワインがもてはやされ、省資源や環境保護が強く叫ばれはじめた近年では、ゴージャスの対意語が似合うようなスタイルというと語弊があるかもしれないけれど、素材感重視・ナチュラル志向のワインが増えました。ワイン造りの現場では求められる技術・手法も変化してきて、先進国の時代のスタンダードが日本にも影響を及ぼしました。
    昨年試す機会があったワインの一部ですが、長野県の小布施ワイナリーさん(ソガ)の一連のワイン、山梨県津金のボー・ペイサージュさんのワイン、同じく山梨県勝沼のイケダ・ワイナリーさん、ダイヤモンド酒造さんなどのワインはどれも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて、一昔前のように?日本人としての贔屓目もその逆の意識もなく、世界に誇れるレベルにきていると感じました。日本の現在のワインは海外のモードのコピーでは決してなくて、良いところだけをしっかり選んで取り入れた結果のものなのです。
    おすすめしたい国産ワインはたくさんありますが、今の一押しがこれ・・・ダイヤモンド酒造さんの“プティ・シャルドネ”。発売されてすぐ仕入れて前情報がない状況での試飲。
    黄色みの強い輝きのある色調、瓶底には白く固まる酒石が見られます。樽熟成・乳酸発酵を行ったことを表すバニラ・ヨーグルトの香り。コンポートの洋梨や桃、白いバラの花。元気いっぱいの果実味、鮮度の高い酸、酒精分が目立たないきれいな後味。同蔵元から、複雑さで勝るシャルドネ“ジューヌ・ヴィーニュ”2007年産(ジェロ価格:¥2900)もお薦めですが、飲むタイミングとして・・今なら絶対“プティ・シャルドネ”です!
    ジェロ店頭価格:2000円 (記事:安藤)